個人事業主の農家は扶養に入ることができる?その要件は?

個人事業主の農家は、家族の扶養に入れるのでしょうか。ここでは所得税、社会保険料の扶養の要件についてわかりやすく説明します。
個人事業主の農家は家族の扶養に入ることができるのか
配偶者等の扶養に入ることができれば、所得税や社会保険料の節約に役立ちますが、個人事業主の農家は家族の扶養に入ることができるのでしょうか。
答えは要件を満たせば家族の扶養に入ることができます。
令和7年の税制改正や社会保険の加入対象拡大など、近年税務や社会制度は大きくかわっています。今一度要件を確認してみましょう。
扶養の種類
扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」があります。
「税務上の扶養」とは、所得税・住民税が節税となる制度で、扶養する側の税金が安くなる可能性があります。
「社会保険上の扶養」とは、扶養者が会社員だった場合には、扶養者は健康保険や厚生年金の保険料を払うことなく保障が受けられる制度です。つまり扶養に入ることができれば、国民年金も国民健康保険料も支払う必要もなく、扶養者の社会保険料の徴収が増えることもありません。
税務上の扶養の要件
税務上の扶養には「扶養者控除」と「配偶者控除(配偶者特別控除)」があります。
どちらの場合も生計を一としている親族であることが条件です。
個人事業主の農家であれば、自分の親もしくは子供の扶養に入るのであれば扶養者控除、妻や夫の扶養に入るのであれば配偶者控除が使えます。
区分 | 扶養者控除 | 配偶者控除(配偶者特別控除) |
|---|---|---|
対象者 | 16歳以上の配偶者以外の親族 | 法律上の配偶者 |
要件 | 合計所得金額が58万円以下 | 合計所得金額が133万円以下 |
※合計所得とは、農業所得とそれ以外の所得がある場合はその所得を足した金額です。
扶養控除、配偶者控除額、配偶者特別控除の詳細や控除額等は国税庁のHPを参照ください。
社会保険の扶養の要件
扶養者は、扶養されている人の収入により生計を維持していると認められることが必要です。
社会保険の扶養の要件は、年間収入が130万円未満であることが基本です。しかし扶養者が加入している健康保険組合により収入の計算方法が異なるため最終的には、加入している健康保険組合に確認してください。
ここでは組合をもっていない中小企業が多く加入する「協会けんぽ(全国健康保険協会)」を例に説明します。
同一世帯(同居) | 別世帯(別居) | |
|---|---|---|
対象者(※) | 被保険者の三親等以内の親族 | 直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母) |
要件 |
|
|
※対象者が、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の被保険者等である人は除きます。
個人事業主の年間収入とは
社会保険料の年間収入とは、将来の見込み収入額で税務上の合計所得金額とも違います。年収130万円未満の計算は、給与所得者であれば年末調整の支払金額をベースに、今後の収入が増えるかどうか確認すればよいですが、個人事業主の場合はどのように考えたらよいのでしょうか。
個人事業主の年間収入=(収入)事業によって得た総収入金額 - 必要経費(=事業運営に掛かる経費等)
ここでいう必要経費は、健康保険組合によって見解がことなりますが、協会けんぽの場合は直接的経費(その費用なしでは事業が成り立たない経費)のみとしています。農業の場合は租税公課や雇人費、利子割引料、減価償却費、青色申告特別控除等は経費として認められない可能性があります。
確定申告書の提出を求められることもありますので、詳細は扶養する人の会社や健康保険組合に直接問い合わせて確認しましょう。
まとめ
税務上の扶養と社会保険の扶養の要件について、説明しましたがご理解いただけたでしょうか。
個人事業主の場合、社会保険料は国民年金や国民健康保険に別に入る必要があります。就農したばかりで赤字であったり、収入が少ない場合に、国民健康保険料と国民年金の支払いが免除される社会保険の扶養は、メリットが大きいといえるでしょう。
令和7年度の税制改正により、社会保険の130万円の壁の問題も議論になっており、今後緩和される可能性もありますので、今後も注視していく必要があります。
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