農家web金融版

農家の確定申告 農家にとっての買掛金とは未払金との違いは?

農家の確定申告 農家にとっての買掛金とは未払金との違いは?

個人事業主の農家では、現金主義以外で青色申告をしている人には「買掛金」の処理が必要になることがあります。ここでは買掛金の意味や未払金との違い、確定申告での仕訳や処理についてわかりやすく説明します。

買掛金とは未払金との違いは?

買掛金と未払金は代金後払いにしたときに使われる貸借対照表の負債の科目です。

違いは、何を購入したかによります。

買掛金とは、商品をつくるために直接かかった費用を仕入した場合に使われます。農業であれば肥料や飼料、種子や苗などの生産資材を後払いで購入し場合です。経費の科目で分類すると「種苗費」「素畜費」「肥料費」「飼料費」が一般的に売上原価(直接経費)と考えられます。

対して未払金は、それ以外の費用、例えば農機具の購入代金や修理代、梱包費用やガソリン代などは、作物の栽培には直接関係のない費用なので未払金を使います。

確定申告で計上する必要があるの?

確定申告では、今年の必要経費を翌年に支払った場合には、計上が必要です。ただし少額なものは実際に支払った時に処理してもよいとされています。

ポイントは「今年の必要経費」のところです。

必要経費とは国税庁のタックスアンサーでは下記のように定めています。

事業所得不動産所得および雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。

(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額

(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

引用:国税庁タックスアンサー:No.2210 必要経費の知識

(1)の定義が買掛金として計上するか判断の基準となります。

売上と費用は一緒の年に計上するのが原則です。ですので例えば苗を12月に購入して、翌年の1月31日に支払をする場合。その苗は12月末までに出荷した作物のための肥料でなければ、計上する必要はありません。そのため収穫払などで購入している資材等も収入を計上した年に一緒に経費として計上することができます。

そのため後払いで購入したとしても、それが今年の収入のための経費でなければ、買掛金として計上する必要はありません。

(2)の定義が未払金として計上するかの判断になります。

直接栽培に関係のない費用は、その年に生じているばあいには経費となります。たとえば梱包材などの消耗品やガソリン、農機具等は商品が届いた日、サービスが完了した日が年内であれば今年の経費として計上します。

ただし少額のものは支払った時でよいとされていますので、農機具などの高額のものを購入した場合には未払金を計上する必要があります。

買掛金の仕訳

青色申告の場合は、複式簿記での仕訳が必要です。

例)小松菜栽培の肥料を20,000円11月末に購入した。支払いは来年の1月15日である。小松菜はすでに12月に出荷している場合

11月末の仕訳

借方(勘定科目)

借方(金額)

貸方(勘定科目)

貸方(金額)

摘要

肥料費

20,000

買掛金

20,000

肥料の購入金額

1月15日の仕訳

借方(勘定科目)

借方(金額)

貸方(勘定科目)

貸方(金額)

買掛金

20,000

普通預金

20,000

買掛金の消込

仕訳の注意点

一度計上した買掛金は、支払をした時に消込処理をしないといつまでも残高が残り、間違った決算書が出来上がります。間違ってもう一度経費に計上してしまうと、経費の2重計上となりますので気を付けましょう。

未払金の計上

例)12月1日に草刈機を80,000円で購入した。翌年の1月末に支払う。

12月1日の仕訳

借方(勘定科目)

借方(金額)

貸方(勘定科目)

貸方(金額)

農具費

80,000

未払金

80,000

草刈り機の購入時の仕訳

翌年の1月末の仕訳

借方(勘定科目)

借方(金額)

貸方(勘定科目)

貸方(金額)

未払金

80,000

普通預金

80,000

未払金の消込

仕訳の注意

購入時に、自分のプライベート用のクレジットカードや現金で支払った場合は、未払金に計上する必要はありません。その場合は貸方を「事業主借」で計上して1月末には仕訳は不要です。

1台10万円以上の減価償却資産を購入した場合には、減価償却費も経費とすることができます。

※本サイトの内容は、一般的な回答であり、税務アドバイスを目的としたものではありません。実際の申告では、税務署や税理士に確認の上、ご自分の判断で申告を行ってください。

かんたん農業確定申告ソフトを使ってみませんか

農家webの「かんたん農業確定申告」は、農家のためのクラウド型の確定申告ソフト。

パソコンがなくてもスマホがあれば、白色申告に必要な収支内訳書も青色申告の青色申告決算書も自動で作成します。

売上や経費を入力して、ステップに従って進んでいくだけで複雑な減価償却費の取引も、青色申告に必要な複式簿記での仕訳も自動計上され、収支内訳書や決算書が完成します。

今は白色申告だけど、来年から青色申告に挑戦したいという人も同じソフトが使えるから、操作方法そのままで青色申告決算書が作れるのも魅力!

白色申告は無料、青色申告は30日間のすべての機能が使えます(その後は年間4,800円)

スマホとメールアドレスがあれば、今すぐ始められます。

かんたん農業確定申告ソフトをお使いの方へ

青色申告で買掛金・未払金を計上するには、仕訳を入力する必要はありません。
「確定申告」メニューから登録するだけで行えます。

  1. 確定申告メニューをステップ1から順に行います。買掛金・未払金の登録はステップ3です。
  2. 未払金・買掛金の登録で、科目、日付、金額を入力し、登録を押すだけ。
  3. 実際に支払した時は、同じ画面の下に買掛金・未払金の消込の登録画面があります。
  4. 2で登録した買掛金・未払金が一覧ででてくので、支払いした買掛金・未払金を選び支払日を入力するだけで消込の仕訳が自動で入力されます。

執筆

農家web金融版編集部

農家web金融版の編集部です。農業者の確定申告・経営に役立つ情報を、わかりやすくお届けします。