農家の確定申告 農家にとっての売掛金とは?

個人事業主の農家では、現金主義以外で青色申告をしている人には「売掛金」の処理が必要になることがあります。ここでは売掛金の意味や確定申告での仕訳や処理についてわかりやすく説明します。
売掛金とは
日本では江戸時代のころから、商品は先に渡して、代金は後日に回収するという「掛け売り」という取引方法が確立していました。
掛け売りをした場合には、お店側は帳簿に誰にいくら掛けで売ったか記帳しておき、後日回収します。お店側には、代金を後日回収する権利があります。これが「売掛金」と呼ばれるものです。
確定申告では、青色申告決算書(農業所得用)の書き方の販売価格の欄に「販売後、まだ実際に代金を受け取っていない場合でも本年中に販売したものについては、全て本年分の販売金額になります」との記載があるように、まだ入金されていない場合も売上に計上しなければならないため、その場合の売上金の相手科目として「売掛金」が必要になります。
決算書(青色申告申告書)の中では、売掛金は現金や預金と同じ扱いになるため貸借対照表の資産の欄に記載されます。
農家の売掛金の種類と計上日
一般的には、出荷した日が「売上日」となるのが原則です。しかし農家には特殊な取引があるので取引別に、売上(売掛金)を計上する日付や取引方法について説明します。
委託販売の場合
農家は農協(JA)や道の駅などに、委託販売をしている場合、出荷した時点でお金はすぐに回収できません。また委託販売なので、売上がいくらになったのかも分かりません。
委託販売の場合、原則は出荷日が売上日となります。ただし売上の金額がわからないため、例外として継続的の同じ処理をする場合にのみ売上明細書が届いた日としてもよいとされています。
JAや道の駅にもよりますが、売上計算明細書(仕切精算書・販売実績報告書)などは、12月に出荷したのであれば遅くとも2月頃には届いているのではないでしょうか。特別な理由がない限り、売上明細書に基づいて出荷した日に計上しましょう。(入金が翌年にずれなければ、入金日に取引を登録しても問題ありません)
概算払がある場合
米などの農作物の場合、代金は販売が完了する前に概算金が入金され、販売が終わった後に精算されることがあります。
精算が出荷した翌年に入金される場合には、継続的に同じ処理をすることを条件として入金があった時点で、売上を計上することができます。
お米の精算金は3月以降になる場合もあり、実際のお米の価格がわからないのでその場合は、概算で入金した金額を販売価格として収入に計上し、翌年に支払われた精算金は「雑収入」として収入に計上します。
つまり売掛金を計上する必要はありません。ただし継続が要件ですので、毎年同じ処理をすることが条件です。
卸売市場への出荷
JAを通さず卸売市場へ直接出荷している場合では、「販売明細書(仕切書)」が数日から数週間で送られてきます。その場合も原則出荷日が売上日です。
卸売市場の委託販売の一部ですので、委託販売として例外として継続的の同じ処理をする場合にのみ売上明細書が届いた日としてもよいとされています。
12月に出荷した場合には1月中に販売明細書が届き、入金されることががほとんどですので、12月に出荷し12月中に入金がない場合は、12月に売上をして売掛金計上しましょう。
レストラン等への出荷
レストランなどに直接出荷している場合は、一般の事業と同様にこちら側が価格を決めて請求書を発行しているので、月末締め翌月払いなどの条件にしている場合、12月に集荷したものは1月に入金されるため、12月に売上と売掛金を計上しましょう。
売掛金の仕訳
青色申告の場合は、複式簿記での仕訳が必要です。
JAなどの委託販売では、販売価格とは別に委託手数料や運搬費、共済掛金などが控除されている場合があります。農作物を販売している農家の場合は、原則総額処理で計上する必要があります。
※総額処理とは、入金した金額が販売価格ではなく売上金額と控除額を別々に計上する処理方法です。
例)12月25日に大根を出荷した。販売明細書では販売価格が50,000円、JA手数料800円、市場手数料4,000円、運賃1500円が経費として差し引かれており、1月10日に43,700円入金された。
12月25日の仕訳
借方(勘定科目) | 借方(金額) | 貸方(勘定科目) | 貸方(金額) | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
売掛金 | 50,000 | 販売金額(大根) | 50,000 | 大根の売上金額 |
荷造運賃手数料 | 6,300 | 未払金 | 6,300 | 経費の合計金額 |
1月10日の仕訳
借方(勘定科目) | 借方(金額) | 貸方(勘定科目) | 貸方(金額) | |
|---|---|---|---|---|
普通預金 | 50,000 | 売掛金 | 50,000 | 売掛金の消込 |
未払金 | 6,300 | 普通預金 | 6,300 | 未払金の消込 |
仕訳の注意点
一度計上した売掛金は、入金があった時に消込処理をしないといつまでも残高が残り、間違った決算書が出来上がります。間違って販売金額に計上しまえば、課税所得が増えて税金を払いすぎることになるので注意しましょう。
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- 売掛金の登録で、栽培作物、日付、金額を入力し、売掛金登録を押すだけ。
- 実際に入金があった場合は、同じ画面の下に売掛金の消込の登録画面があります。
- 2で登録した売掛金が一覧ででてくので、入金された売掛金を選び入金日を入力するだけで消込の仕訳が自動で入力されます。












