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農家の確定申告 未成熟果樹・育成中の牛馬にかかる費用は経費にならない?育成仮勘定とは?

農家の確定申告 未成熟果樹・育成中の牛馬にかかる費用は経費にならない?育成仮勘定とは?

果樹農家の苗木から成木になるまでのコストや酪農家が子牛を育てる費用等は、その年の経費にすることができず資産にする必要があります。ここでは未成熟の果樹や育成中の牛馬等の確定申告の処理について、わかりやすく説明します。

未成熟の果樹・育成中の牛馬等にかかる費用は経費にならない?

未成熟の果樹や牛馬等を育てる費用は、成熟するまではその年の経費にはならず、資産となります。

税務上の必要経費とは、その年の収入のためにかかった費用だけが必要経費として認められます。

そのため、未成熟の果樹や育成中の牛馬は、数年後の利益のために育てているので育成中はまだ何の収益を生んでいません。そのため成熟して収益を得るまでは必要経費として計上することはできません。

しかしその果樹や牛馬を育てるためには多くコストがかかっているので、それをその果樹や牛馬の価値として「資産」にしておき、成熟した段階で減価償却資産に振替て法定耐用年数によって数年間にわたって必要経費に計上することができるようになります。

農業簿記では、この育成中の資産を「育成仮勘定」で計上します。国税庁の青色申告決算書では「未成熟の果樹育成中の牛馬等」という勘定科目が使われます。

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未成熟の果樹 育成中の牛馬等(育成仮)として計上する経費の種類

ではどのような費用が未成熟の果樹育成中の牛馬等(育成仮)として計上する必要があるのでしょうか。

国税庁では、明らかに区分できる苗木の定植に要した労務費の他、下記の経費に限定してもよいとしています。

種類

経費の種類

牛・馬等

  • 種付費
  • 飼料費

果樹等

  • 種苗費
  • 肥料費
  • 薬剤費

飼料費や肥料、薬剤費などは、育成中以外にも使われるものも多いので割合や面積等で該当金額を求めましょう。

未成熟の果樹から生じた果実の売上収入がある場合

①取得価格(経費の累計金額)から差し引く

未成熟の果樹で得た収入は、その果樹の育成費用からマイナスするのが原則的な取り扱いです。

例えば果樹にかかるコストの累計が50万円あった場合は、その資産額(育成仮)は50万円ですがその果樹の果実の売上が10万円あった場合には、資産額からマイナスして40万円となります。

仮に翌年の1月に成熟したとすると、取得価格が40万円の減価償却資産として、減価償却費が計算されます。

②総収入として計上する

毎年継続して同じ処理をするのであれば、①ではなく収入として計上することもできます。

少額であれば雑収入で計上するのが一般的ですが、売上とする場合もありますので管轄の税務署や税理士にご確認ください。

減価償却資産への振替

未成熟の果樹や育成中の牛馬が成熟した時には、今までにかかった金額を取得価格にして減価償却資産に振り替える必要があります。

成熟したタイミングとは、いつなのでしょうか。

所得税基本通達では、生物の償却については下記の通り「当該生物がその成熟の年齢又は樹齢に達した月」から償却を開始するとしています。

49-27 令第6条第9号に掲げる生物の減価償却は、当該生物がその成熟の年齢又は樹齢に達した月(成熟の年齢又は樹齢に達した後に取得したものについては、取得の月)から行うことができる。この場合におけるその成熟の年齢又は樹齢は、次による。

(1) 牛馬等については、通常業務の用に供する年齢とする。ただし、現に業務の用に供するに至った年齢がその年齢後であるときは、現に業務の用に供するに至った年齢とする。

(2) 果樹等については、当該果樹等の償却額を含めて通常の場合におおむね収支相償うに至ると認められる樹齢とする。

所得税基本通達 49-27

具体的には、乳牛については初産分娩時、繁殖用家畜については初産のための種付時、果樹等においては安定して果実から収入を得られるようになった時に減価償却資産に振替、その月から減価償却費を計上します。

(成熟の年齢又は樹齢の判定が困難な場合は所得税基本通達 49-48の表2をつかって成熟する年齢を決定します)

確定申告の処理方法

白色申告の場合

  1. 経費が発生した場合は、通常通りの費用科目で計上します。
    (その支出が育成にかかるコストのみであれば、費用に計上する必要はありません)
  2. 1で計上した経費のうち、育成にかかる年間の費用を算出します。
  3. 収支内訳書の損益計算書「㉞経費から差し引く果樹牛馬等の育成費用」に2で集計した数値を入力します。
  1. 収支内訳書の2ページ目の「果樹・牛馬等の育成費用の計算」に明細を記入します。

  2. 成熟したものが当期中にある場合には4の「果樹・牛馬等の育成費用の計算」に数値を入れるほか、収支内訳書の「減価償却費の計算」に記載して減価償却計算が必要です。

青色申告の場合

1.経費が発生した場合は、通常通りの費用科目で計上します。

借方

貸方

肥料  ×××

現預金  ×××

その支出が育成にかかるコストのみであれば、直接資産勘定に計上します

借方

貸方

未成熟の果樹育成中の牛馬等   
(育成仮勘定)

現預金

  1. 1で計上した経費のうち、育成にかかる年間の費用を算出します。
  2. 2の金額を経費から資産へ振替します

    借方

    貸方

    未成熟の果樹育成中の牛馬等

    経費から差し引く果樹牛馬等にかかる育成費用

  3. 青色申告決算書の3ページ目のⒻ 果樹・牛馬等の育成費用に明細を記入します。

5.成熟したものが当期中にある場合には下記の仕訳の他、4の「Ⓕ 果樹・牛馬等の育成費用の計算」に数値を入れる、「Ⓔ減価減価償却費の計算」に記載して減価償却計算が必要です。

借方

貸方

生物(みかん樹)

未成熟の果樹育成中の牛馬等

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※本サイトに掲載している情報は、一般的な解説を目的としたものであり、個別具体的な税務アドバイスや専門的な見解を提供するものではありません。
実際の税務申告では、税理士または管轄の税務署等に確認の上、ご自身の判断で行ってください。

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執筆

農家web金融版編集部

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