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農家の確定申告 パソコンは経費になる?科目は?

農家の確定申告 パソコンは経費になる?科目は?

近年は農業用のアプリやソフトなども多く開発され、パソコンを使って確定申告や農業日誌、圃場管理をしているという人も多いのではないでしょうか。ここではパソコンは経費となるのか。経費となる場合の科目や確定申告の処理について説明します。

パソコンは経費になる?

パソコンの購入代金は、業務で使用していれば経費に計上することができます

パソコンを事業(農業)でしか使っていないのであれば、全額経費として計上できます。

しかしプライベートでゲームをしたり、動画編集などをしたりして業務と兼用に使っている場合は、家事按分をする必要があります。家事按分とは、事業でつかっている経費とプライベートで使用しているお金(家事)を按分して事業用の経費だけを計上することを指します。

関連記事:農家の確定申告 家事按分について

パソコンの購入代金の確定申告の処理方法

パソコンはスペックの違いなどで数万円の安価なものから30万円以上のものまであります。パソコンの確定申告の処理は購入金額と、申告の方法によってことなります。

購入金額

白色申告

青色申告

~99,999円

購入した年の経費

購入した年の経費

100,000円~199,999円

下記のいずれかを選択

・一括償却資産として3年で均等償却
・減価償却資産として4年で償却

下記のいずれかを選択

・少額減価償却資産の特例を使い、
全額購入した年の経費とする
・一括償却資産として3年で均等償却
・減価償却資産として4年で償却

200,0000~399,999円
(2026年3月31日までに取得した資産は299,999円)

減価償却資産として4年で償却

下記のいずれかを選択

・少額減価償却資産の特例を使い、
全額購入した年の経費とする
・減価償却資産として4年で償却

購入した年の経費とする(10万円以下)

パソコンの購入代金が1円~99,999円までの場合。この代金は白色・青色を問わずすべて購入した年の経費とすることができます。一般的には消耗品などの科目を使いますが、農業所得用の経費の項目には消耗品はないので、別途作るか「雑費」で処理しましょう。

例1)2月5日に農業用のパソコンを90,000円で購入した。これは農業用以外には使わない。

青色申告の場合の仕訳

借方

貸方

雑費(消耗品)  90,000

現預金 90,000

白色申告の場合は、収支内訳書の経費科目「雑費」に全額90,000円計上します。

例2)2月5日に農業用のパソコンを90,000円で購入した。パソコンはプライベートと兼用でつかっており、その比率はプライベートが20%、農業用として80%使っている。

農業用に使う80%のみが経費となるため家事按分が必要です。90,000×80%=72,000のみが経費として認められます。

青色申告の場合の仕訳

借方

貸方

雑費(消耗品)  72,000

事業主貸     18,000

現預金    90,000

白色申告の場合は 収支内訳書の経費科目「雑費」に72,000円計上します。

一括償却資産として3年で均等償却

パソコンの購入代金が10万円以上の場合は、全額を購入した年の経費とすることはできず減価償却資産としてその資産の決められた法定年数(パソコンは4年)で経費にする必要があります。しかし購入金額が10万円以上20万円以下であれば簡易的な方法として、取得価額の合計額の3分の1の金額を必要経費として計上することができます。

これを一括資産と呼び、白色・青色で共通に使える償却方法です。

関連記事:農業確定申告 一括償却資産とは?

例)12月20日にパソコンを150,000円で購入した場合

通常法定年数で減価償却費を計算する場合は、月割りですが一括償却資産は3年間で均等償却なので12月に購入しても購入金額の3分の1をその年の経費とすることができます。

農業専用で使っている場合は、150,000円÷3=50,000円が減価償却費として経費として認められます

青色申告の場合の仕訳

(購入時)

借方

貸方

農機具等   150,000

現預金  150,000

(決算時)

借方

貸方

減価償却費   50,000

農機具等  50,000

白色申告の場合は、収支内訳書の経費科目「減価償却費」に全額50,000円計上します。
また減価償却資産となりますので、収支内訳書2ページ目の減価償却費の計算に記入する必要があります。

少額減価償却資産の特例(青色申告のみ)

少額減価償却資産の特例とは、通常取得価格10万円以上の資産は減価償却資産となり一度に経費に落とすことはできませんが、取得価格40万円(2026年3月31日までに取得した資産は30万円)未満までの減価償却資産を一括で取得した年の経費に計上できる税務の特例です。青色申告を提出する個人事業主・中小企業者が使えます。

例)3月10日にパソコン220,000円を購入した。

購入時は、一旦減価償却資産として計上します。

借方

貸方

農機具等    220,000

現預金  220,000

決算処理として12月末に減価償却費として全額費用に振替ます。

借方

貸方

減価償却費   210,000

農機具等  210,000

10万円以下のパソコンの時は雑費(消耗品)で経費にしますが、少額減価償却資産の場合は「減価償却費」として計上します。また減価償却資産として取り扱うため、青色申告決算書の3ページ目の減価償却資産の明細に記載する必要があります。

少額減価償却資産の特例は処理が簡単ですが、デメリットもありあます。下記で詳しく説明していますので迷った場合にはこちらも参考にしてください。

関連記事:農業確定申告 少額減価償却資産の特例とは?一括償却資産と違い

減価償却資産として耐用年数4年で償却

10万円以上のパソコンは、減価償却資産として計算した、減価償却費が経費として認められます。白色申告の場合は20万円以上、青色申告の場合は40万円(2026年3月31日までに取得した資産は30万円)以上では原則どおり法定耐用年数を使い計算します。

パソコンの法定耐用年数は、パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く)に該当するので「4年」です。月割で計算した減価償却費が取得した年の経費として認められます。

例)7月1日にパソコンを220,000円で購入した。

取得価格 220,000 耐用年数は4年(定額法償却率0.250)7月から償却開始のため償却月数は6ヵ月
取得価格220,000円×償却率0.250÷6/12ヵ月=減価償却費27,500円 

青色申告の仕訳

取得時

借方

貸方

農機具等   220,000

現預金  220,000

決算期

借方

貸方

減価償却費   27,500

農機具等  27,500

白色申告の場合は、収支内訳書の経費科目「減価償却費」に27,5000円計上します。
また減価償却資産となりますので、収支内訳書2ページ目の減価償却費の計算に記入する必要があります。 

家事按分がある場合の減価償却費

プライベートと業務と兼用で10万円以上のパソコンを購入した場合は、一括償却資産、少額減価償却資産の特例、法定耐用年数を使った減価償却費の計上、いづれの場合でも減価償却費を家事按分します。

例)7月1日にパソコンを220,000円で購入した。農業用に80%、プライベートで20%使っている。

取得価格 220,000 耐用年数は4年(定額法償却率0.250)7月から償却開始のため償却月数は6ヵ月
取得価格220,000円×償却率0.250÷6/12ヵ月=減価償却費27,500円
減価償却費27,500×農業使用割合80%=経費として計上する減価償却費22,000円

青色申告の仕訳

取得時

借方

貸方

農機具等   220,000

現預金  220,000

決算期

借方

貸方

減価償却費   22,000
事業主貸      5,500

農機具等  27,500

白色申告の場合は22,000円を「減価償却費」に計上します。

また収支内訳書2ページ目の減価償却費の計算の㋠事業専用割合に80と記載し、27,500円×80%=22,000円を㋷本年度の必要経費算入額に記入します。

購入金額(取得価額)の判定について

購入金額(取得価額)の判定には送料も含まれる?

パソコンの確定申告の処理方法は取得価額(購入金額)によって変わると説明してきましたが、パソコンを購入した時には本体だけでなく、周辺機器も一緒に購入したり、配送料などの送料がかかったりすることもあります。

では購入金額はどの金額を使えばよいのでしょうか。

例えばディスクトップパソコンを購入して、同時にモニター、マウス、プリンター、USBメモリを購入、送料がかかっている場合。

送料は購入価格(取得価額)に含めます。99,000円のパソコンを買って、送料が1,500円だった場合は購入金額は100,500円となります。

付属品に関しては税理士さんでも見解が分かれることがありますが、一般的には付属品がパソコンにないとならないかで判断します。

マウス、プリンター、USBメモリーはなくてもパソコンだけで、役割を果たすことができるため、取得価額には含めない。しかしモニターがないとパソコンは使えないので、取得価額に含めます。

付属品については迷った場合は、税務署に確認しましょう。

購入金額(取得価額)の判定は税抜?税込?

パソコンの確定申告の処理方法は取得価額(購入金額)によって変わると説明してきましたが、これは税抜価格なのか、税込価格なのでしょうか。

これは消費税申告をしているか、消費税申告をしている場合は会計処理が「税込経理処理」か「税抜経理処理」しているかによります。

申告方法

取得価格の基準

消費税申告をしていない場合

税込金額で判定

消費税申告者で税込経理処理

税込金額で判定

消費税申告者で税抜経理処理

税抜金額で判定

農業所得用の確定申告ソフトを活用しましょう

減価償却費の計算や家事按分などの処理は、自分で計算するより農業用の確定申告用のアプリなどを使うと簡単に計算できます。

かんたん農業確定申告は、メールアドレスを登録だけで無料で使える農業所得者専用のクラウド型の確定申告ソフトです。

面倒な減価償却費の計算や一括償却資産などは、選ぶだけで自動で計算し収支内訳書に表示します。家事按分も、経費を入力するときに按分の%を入力するだけで、自動で計算してくれます。

パソコンも税務の知識もいらない確定申告ソフト。スマホとメールアドレスがあればだれでも無料で始められます。

執筆

農家web金融版編集部

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