農家の確定申告 親から譲渡・相続された資産の減価償却について

家業の農業を親から引き継いだ場合、トラクターなどの減価償却資産がある場合、確定申告ではどのような処理が必要なのでしょうか。ここでは相続や譲渡で受け継いだ減価償却資産の確定申告のやり方について説明します。
譲渡・相続で取得した資産の減価償却費の方法
親子間で譲渡された資産や相続で減価償却資産を引き継いだ場合、基本的にはすべての情報(取得価格、耐用年数、簿価)は引き継がれます。しかし償却方法は引き継げません。順に減価償却計算に必要な項目別に説明します。
取得価格
譲渡・相続した減価償却資産の取得価格は、親が最初に購入した取得価格(購入金額)をそのまま引き継ぎます。
譲渡時の簿価ではありませんので、親が今までの確定申告で計上していた、減価償却費計算のもとになっているデータが必要になります。
耐用年数
譲渡・相続した減価償却資産の耐用年数は、親が確定申告で使っていた耐用年数を引き継ぎます。
中古資産の取得で使われる耐用年数ではありません。
簿価
譲渡・相続した減価償却資産の耐用年数は、親が最後に行った確定申告書の簿価です。相続の場合は準確定申告の簿価を使います。
償却方法
減価償却費の方法は引き継げません。
減価償却費の計算方法は、税法自体が何度か変更されており、償却方法や償却率などが変更されています。また任意で償却方法を定額法か定率法で行うか事業者が選べるようになっています。
個人事業主の場合、定率法は事前に税務署に届け出が必要になります。定率法で減価償却したい場合には事前に提出しましょう。
減価償却費の計算方法は、譲渡された日(開業日)の償却方法をつかって計算します。建物など取得日が古い資産が残っている場合には、同じ償却率にならないこともあるので注意しましょう。
>参考:国税庁質疑応答事例 平成19年4月1日以降に相続により減価償却資産を取得した場合
貸借対照表の残高
青色申告の場合は、貸借対照表への仕訳が必要です。譲渡日・相続日(開業日)時点の簿価で仕訳を計上します。
例)1月1日に親の事業を引き継ぎ、トラクター(前年12月末簿価 580,000円)を譲渡された場合
借方 | 貸方 |
|---|---|
農機具等 580,000 | 事業主借(元入金) 580,000 |
>関連記事:新規就農者の青色申告 開始残高(期首残高)・開始仕訳とは?
使用貸借の場合は?
贈与税対策として、減価償却資産の所有権は親が持ったまま使用貸借(無償での賃借)する場合、資産の譲渡されていないため減価償却費は計上できません。ただし、親と生計を一とする場合は減価償却費を計上できます。
その場合は、貸借対照表に資産の計上がないのに減価償却費が計上されることになるため、便宜上、資産計上することが認められることもあります。(実際の実務では、税理士や所管の税務署にご確認ください)
生計を一としない場合は、減価償却費の計上はできません。賃貸借契約をすれば賃料は経費として計上できます。
青色申告者であれば、個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除を使える可能性があります。
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※本サイトに掲載している情報は、一般的な解説を目的としたものであり、個別具体的な税務アドバイスや専門的な見解を提供するものではありません。
実際の税務申告では、税理士または管轄の税務署等に確認の上、ご自身の判断で行ってください。




